電話代行とは? 秘書代行との違いについて解説
電話代行は秘書代行とほぼ同じと捉える人もいますが、定義としては電話対応業務を請け負う外注のサービス全般を指す言葉となります。また電話代行と一口に言っても、サービスを提供する会社によって内容が違いますし、提供サービスの範囲にも差があります。顧客からの問い合わせ対応を代行するサービスも、この電話代行に含まれるといえるでしょう。逆に、リストに記載の顧客に対し順番に、依頼者に代わって架電するテレアポ代行も広義の電話代行サービスです。
電話代行サービスとは
依頼者が希望する通りに電話を受けたりかけて何かをする、それが電話代行というサービスの特徴で、ルーツは昭和40年代ごろにまで遡ることから時間をかけて現在の形になっています。つまり次々と様々なニーズに応えてきた結果、電話代行で提供されるサービスの範囲が広がり、秘書業務のようなことをするサービスも出てきたわけです。電話代行サービスには大きく分けて、電話番号を貸し出してそれにかかってきた電話を転送したり、依頼者の代わりに出て対応するものがあります。前者は固定電話を利用したいものの携帯電話しかない場合などに、使いたい電話を借りて業務に利用できるのが特徴です。東京や大阪といった都市の電話番号も借りられるので、これらの地域に拠点を置くように見せ、社会的な信用を得て事業を展開したい人にも人気です。一方で後者の電話代行サービスは、自分宛ての電話をオペレーターに転送して、オペレーターが依頼者の希望通りに対応する仕組みです。
一般的に秘書代行と呼ばれているサービスにあたるので、秘書代行は広い意味での電話代行に分類されるサービスの1つだと分かります。秘書代行には電話代行業務も含まれますが、電話の内容をまとめて依頼者にメールで送ったり、重要な問い合わせのみ取り次ぐといった業務もあります。秘書業務をアウトソーシングできるのが秘書代行サービスですから、業務が電話対応のみに留まらないのは当然です。電話代行サービスそのものは、電話番や電話対応に特化したサービスとして活用できますが、秘書代行は更にもっときめ細かい対応を希望したい場合に適しています。例えば指定の時間帯はどのような電話も取り次がないこと、営業時間外の電話はすべてオペレーターが対応するといった指示や指定が可能です。かかってきた電話の内容を記録して、それを文字に起こして依頼者に伝えるだけなら単なる電話代行サービスとなるでしょう。そこに内容に合わせて依頼者に取り次ぐか、メールで済ませるかという判断も加わるとなれば、秘書代行サービスということができます。
電話対応サービスとコールセンター代行の違い
電話対応のサービスはコールセンター代行と似ていますが、どちらかといえば電話代行は依頼者に属するスタッフとして振る舞います。規模はコールセンター代行に軍配が上がるので、目的と必要とする規模で使い分けられます。秘書代行は電話代行と比べて、法人組織よりも特定の個人について対応することが多い傾向です。ただし、秘書代行業務を電話代行としているサービスもあるので、実は両者の境目は曖昧だったりします。電話対応業務を代行サービスに依頼したい場合は、希望する対応を明確にした上で、サービスを比較したり検討して選ぶことが必要です。見方を変えると、電話代行はサービスの総称で秘書代行はサービス名と捉えられます。電話代行サービスにも秘書代行業務を行うサービスが含まれていますし、秘書代行といえば電話代行を思い浮かべる人が少なくないので、やはり両者は近い距離にある関係だと理解できます。書類の作成やスケジュールの管理も任せたり、状況に応じて柔軟な変化を希望するのであれば、秘書代行と銘打っている電話代行サービスを選択する必要があります。
電話代行サービスというだけではどこまで対応するか分かりませんし、予め決められている業務以外は代行しないこともあり得るので要確認です。いずれにしても、電話が鳴ったら出てくれること、相手の名前や用件を聞いて対応するのは両者に共通するポイントです。取り次ぎをメインに提供している電話代行や秘書代行サービスは、メールだけでなくチャットでオペレーターとやり取りができることもあります。
電話代行サービスの重要性
リアルタイムにチャットでやり取りをしながら、その都度対応を変えてもらうといったことが実現します。代行とはいえ、電話対応の際に依頼者の社名などを名乗ることになるので、オペレーターには対応のマナー教育が行われているのが普通です。研修を受けないと業務ができませんし、サービスによっては有名企業での実務経験をオペレーターのウリにしているところもあります。電話窓口は企業の顔と言っても過言ではないので、マナーには厳しいですし、いい加減な対応が行われることはあり得ないです。そういう意味で安心して対応を任せられますが、柔軟かつ高度な対応を求めるとなると、サービス選びの重要性が高まります。
柔軟性の高さは一般的な電話代行サービスよりも、事務業務も請け負うことが多い秘書代行を掲げているサービスの方が期待できます。何せ秘書というくらいですから、特定の誰かの専属という形で振る舞ってくれます。詳細に打ち合わせてから代行業務の開始となるので、すり合わせに要する時間は秘書代行の方が長くなります。電話の相手に合わせて対応を変えるとなると、研修にも時間をかける必要が出てくるので、ある程度の準備期間を要するのは仕方がないです。自分が電話に出られない時、不在時などに電話を逃したくない場合は、用件を尋ねて記録するくらいで済むことが多いです。そのようなケースだときめ細かな対応の秘書代行はやや過剰で、電話番が任せられれば十分ということもあります。
このように電話代行にはサービスの幅があるので、必要な対応によって秘書代行を選択するか、それ以外の代行サービスを検討することになるでしょう。秘書代行はレベルの高い電話代行とも言い換えられますから、取引先との打ち合わせの調整だったり、日本語以外の言語の対応も任せられます。しかし、どこまで対応するかは結局のところサービス次第なので、電話代行や秘書代行の言葉にとらわれずに比較検討して希望に合うサービスを選択することが大切です。
電話代行を利用する場合の費用の相場は?
電話代行サービスの料金体系は様々ですが、基本料金とオプションで構成されていることが多いといえるでしょう。これは主に月額制のサービスの場合で、選択するプランと追加するオプションの合計で金額が決まるものです。
電話代行の初期費用
初期費用はサービスによってかかったり、負担なしに利用が始められるケースもあります。中には契約料の名目で費用を要求するサービスも存在するので、料金体系についてはしっかりと確認した方が良いです。契約料や初期費用は準備に要する費用を負担するもので、オペレーターを割り当てて研修を実施したり、マニュアルの作成で発生するコストが含まれます。初期費用が安くても月額料金が高めに設定されていたり、初期費用が発生する一方で比較的毎月お得に利用できるなど、サービスによって料金体系の構成は多岐にわたります。初期費用の相場の目安は最低でも1万円、大抵は数万円で、10万円やそれ以上かかるケースは稀です。つまり、サービスの利用に高額な初期費用が発生することは殆どないものの、金額に幅があってケースバイケースなのは間違いないです。
電話代行の月額制
月額制は電話代行サービスの主流ですから、毎月発生して負担する費用は、ほぼ決まった金額ということになるでしょう。月額制のサービスは、受電対応するコール数で金額が変わることが殆どです。基本料金に一定コール数の費用が含まれており、それを超過するといわゆるコールオーバーの料金が加算される形となります。定額制でも超過料金分は課金制なので、想定以上の負担を発生させない為には大幅な超過をしないように気をつけることが必要です。1ヵ月あたりの電話対応が50コールほどだと、安いサービスなら5千円くらいから利用できますが、数万円というサービスもあるので要比較検討です。1コールあたりの単価上限は200円ほどが相場で、コールオーバー分もこれくらいの金額がコールの件数に応じて加算されます。
複数のプランを提供している電話代行サービスは、最初から100や200といったコール数のプランを用意していることがあります。プランのコール数が余っても費用が安くなることはまずないので、1ヵ月の電話件数を測定してサービスを選ぶことが不可欠ですが、余裕を持って選べば単価が安くなるのは確かです。月額制でも時間帯によって料金体系が変わったり、夜間や休日対応の単価が上がることは珍しくないです。
24時間対応のサービスは法人の営業時間外にも有人対応してもらえる魅力がありますが、平日の昼間よりも1コールあたりの費用負担が増えるのでその点には注意する必要がありそうです。聞き取りや記録程度なら基本料金の範囲に収まりますが、他にも細かく色々と条件をつけて対応してもらうとなれば、オプションなどの追加料金がかかる可能性が出てきます。基本的な電話対応業務で平日のみなどの条件であれば、毎月発生する費用は5万円以下に抑えられるでしょう。目安は100コールで月額1万円といったところで、この相場を超える金額は高めですが、深夜帯などは通常の4~5倍が相場となります。24時間対応で年中無休となると、月額費用が5万円を超えてもおかしくないです。費用を抑えて電話代行サービスの恩恵を享受したいなら、利用する時間帯や曜日を決めて限定的に活用するのが賢明です。
電話代行の課金制
電話代行サービスにはもう1つ、コールの数で費用が決まる課金制を採用しているところもあります。使った分だけ費用を支払う従量課金の料金体系で、1コール単位で単価が設定されます。コール課金制の単価は1コールあたりの上限は300円くらいと、月額制と比べてやや高めの傾向が見られます。それと、間違い電話や無言電話も1コールとカウントされることが多いので、コール件数が少なければ費用を抑えられますが、無駄が発生しやすいのは否めないところです。コール課金制は架電業務のテレアポ代行でも採用されていますから、電話代行を任せる場合は無駄な費用を発生させない為に、電話に出て話を聞いてくれる顧客リストを作ることが大事です。テレアポ代行の電話代行サービスには、成約が取れた件数に応じて費用が決まる料金体系のサービスもあります。この成果報酬は1件あたり1万円と相場が分かりやすいですが、金額が金額なので扱う商材の価格によっては利用しにくいです。また、商材を問わず何でも引き受けてくれるとは限りませんし、成約が取りにくい商材については利用が断られることも考えられます。サービスの利用の可否と成功報酬はヒアリングや見積りで決まるので、利用できるかどうか、報酬単価が抑えられるか否かは問い合わせ先選びと交渉次第です。
オプションは内容にもよりますが、1つあたり数百円から5千円の範囲に収まる傾向です。オプション料が嵩むとしたら、問い合わせ対応の伝言や折り返しの案内といった業務を超える、データ入力などの業務も任せたいケースがあてはまるでしょう。深夜や休日対応がオプション扱いの場合は、基本料金の5倍前後がオプション料金の目安となります。FAXの送信業務代行は、電話転送業務の単価よりも少し安い設定が普通です。具体的には1通あたり100円から200円くらいです。データ入力は電話による受注業務の際に必要になることが多く、件数や項目の数にもよりますが、1件あたり500円前後が一般的です。
営業時間外の対応が有人ではなく音声ガイダンスの場合は、月額2~3千円で対応してもらえます。夜間や休日の費用がかなり割高になるのは、それだけオペレーターの人件費が上がることを意味します。従業員が定時を超えて仕事を続けると残業扱いで賃金が割増になることを考えれば、夜間の費用が割高になるのも頷けます。それは休日も同様で、貴重な休日を返上して仕事をするわけですから、休日料金が割増になるのも仕方がないです。対応件数が少なくても割高なことには変わりないので、平日以外のサービスを選んだりオプションを選択する場合は、金額に納得できる構成で契約することが重要です。最もニーズがある平日の営業時間の電話対応は、競合同士の競争が激しいこともあって、お得に利用できるサービスが見つけやすいです。
電話代行を利用するメリット
電話代行サービスを利用すると、問い合わせなどの対応の代行で業務の負担が減るメリットが得られます。コア業務に使える時間が増えますし、何より集中できるので業務効率が上がることにもなります。コア業務の片手間に電話対応となると落ち着きませんし、いつ電話がかかってくるか分からないと集中できるものもできないです。
電話代行サービスで得られるメリット
電話代行はオペレーターに電話番を任せられるので、極端なことをいえばほぼ電話対応を忘れて業務に集中可能となります。小規模な法人や個人事業主は、人員が限られていて電話にまで手が回らないことがあります。そんな時に電話代行サービスを利用すると、現実的な金額で電話対応のスタッフを雇ったかのようなメリットが実感できます。人件費を抑えつつ電話の取りこぼしが避けられる、これもまたメリットの1つだといえます。かかってくる電話の内容にもよりますが、取引に興味がある企業からの問い合わせに出られなかったり、注文を前提とした問い合わせ対応ができないと機会損失が発生します。見込み客が顧客に変わるチャンスを逃したり、既存の顧客を失うことにもなり得ます。
ネット全盛の現代では、電話対応の評判の良し悪しも瞬く間に伝わり広まりますから、決していい加減な対応はできないです。逆にいうと、電話代行サービスで電話対応を万全な体制にしておけば、確実な対応が実現して良い評判が生まれたり伝わる可能性に繋がります。機会損失は顧客を得られず失うばかりか、得られるはずの売上が得られなかったり、競合する他社に顧客や売上を譲ることにもなりかねないです。だからこそ損失が発生するリスクは減らす必要がありますし、電話代行を利用することでリスクが最小限に抑えられるわけです。
電話代行サービスはビジネスの心強い味方
法人はノンコア業務のアウトソーシング、個人事業主は電話対応の人員の補強、飲食店などの個人経営のお店は来客時や宅配時をイメージすると、電話代行のメリットが見えてくるはずです。機会損失を防げば顧客満足度も高まる結果に至るので、電話代行サービスの利用は顧客満足度を改善したり高めたい場合にもメリットを与えてくれることが分かります。個人の信用にも通じるところがありますが、ビジネスは誠実さが印象に直結しますし、印象が信頼や取引の判断に大きな影響を与えます。電話をかけてもいつも通じない、繋がったと思ったら無機質な対応で残念、そう思われてしまうと機会損失が避けられないです。電話業務を代行サービスに任せると、こういった失礼な対応が是正できるので、印象が改善して機会損失も発生しなくなります。他のことで忙しくて電話に出られなかった、人手が足りず時間外の対応ができないといったことは、電話で話をしたい相手にしてみればどれも言い訳です。
ビジネスに言い訳は通用しませんし、したい話をしたい時にできない相手と判断されれば、見切りをつけて競合他社に乗り換えられても文句はいえないです。1つでも心当たりがある法人、個人事業主は電話対応を見直さなくてはいけませんし、改善を先送りにすれば印象は悪くなる一方でビジネスチャンスも取りこぼし続けることになるでしょう。しかし人を雇うにしても先立つものがない、すぐに対応できない場合はお手上げです。そういった手詰まりと思われる状況の打破に一役買ってくれるのが、電話代行サービスという心強い味方です。
電話代行サービスは費用対効果が増す
問い合わせにも相談にもクレーム対応にも、迅速かつ丁寧で正確な対応が共通項にあります。電話代行サービスのオペレーターは、専門的な教育を受けた電話対応のスキルを持つスタッフなので、得られるサポート強力ですし忙しい時にこそ頼りになります。つまり電話に出られないケースが減らせるだけでなく、品質が向上して電話対応の評判が格段に高まることにもなるわけです。自社でスタッフを雇用するとなると、求人を出して面接を行い、未経験者なら教育、経験者であればより好条件を提示して即戦力として雇うことが必要です。当然ながら経験者にも研修は不可欠ですし、初日からすぐに期待する電話対応をしてもらえるケースは稀です。簡単な足し算ではありますが、アルバイトを平日の営業時間のみ雇う場合は、色々込みで1ヵ月に20万円は負担が発生する計算です。それに研修費などが加わるわけですし、教育にコストや手間をかけてもアルバイトは急に辞めてしまう恐れが拭えないです。アルバイトの代わりに電話代行サービスを選ぶと、教育などのコストも手間もかからない、短期間で辞めることもない即戦力が手に入ります。マニュアルの作成や研修は必要ですが、0から教育して育てるのと比べれば格段にリーズナブルで合理的です。追加でやってもらいたい業務を指定すればオプションで対応してくれますし、予定の変更が発生しても柔軟に応じてくれるので助かります。
今まで電話対応にあたっていた自社スタッフはコア業務に取り組めるようになり、収益に結びつく業務に集中して加速させられます。電話対応は重要性こそ疑う余地はありませんが、いくら頑張っても収益には直結しないので、減らせるコストは減らすべきです。アルバイトの雇用よりもコストがかからず、リソースも節約できる電話代行サービスの利用は現実的な答えとなります。コールセンターのような大規模な対応においても、自社で場所を確保してスタッフを雇い備品を割り当てるのは多大なコストがかかります。そのコールセンターすらも電話代行に任せられるので、大幅な節約というメリットが実現するのは考えるまでもないです。テレアポのようなアウトバウンド業務も電話代行サービスに置き換えることができますから、どういった電話業務もコストを抑えて節約可能です。一人で営業活動をしたり約束の取りつけや打ち合わせ、契約もこなさないといけない個人事業主にとっては、まるで自分がもう一人増えたような感覚になるでしょう。全業務を自分の代わりにやってもらうことはできませんが、電話対応を中心とした多くの業務が任せられるのは本当です。サービスを利用する時間や業務の範囲を限定すればコストは更に抑えられますし、かけるコストに対して費用対効果が増すことになります。
電話代行を利用するデメリット
電話代行サービスを利用することで生じるデメリットには、対応してもらえる業務が限られたり、対応の範囲外については逆に機会損失が発生することが挙げられます。電話代行のオペレーターは、予め打ち合わせした通りに対応してくれますが、自社の従業員ではないのでどういった商品やサービスを扱っているか、その理解は限定されます。問い合わせで商品について詳細が尋ねられたり、サービスの内容や違いが質問された場合に、オペレーターが対応できない状況が生じることになります。
機会損失が発生する
自社対応を電話代行サービスに切り替えた直後は、問い合わせをする人からすると、対応が変わったように感じられるでしょう。電話が繋がりやすくなったり用件が伝言や取り次ぎの形でスムーズにやり取りできるのは確かですが、専門的な対応が必要な場面になると途端にオペレーターにできることが少なくなります。これは、詳細な説明を期待して問い合わせる人にとって、実にがっかりする対応です。専門的な対応を得意とする電話代行サービスを選択したり、細かい対応マニュアルの作成と念入りな打ち合わせをすればデメリットは薄まりますが、それでも払拭するまでには至らないです。現実にはデメリットを受け入れつつ、専門的過ぎてオペレーターに対応できない内容については従業員に取り次いでもらうことが必要でしょう。ただそうすると電話代行の魅力が弱くなってしまうので、そこを許容できるかどうかが納得して電話代行サービスを利用する分かれ道になりそうです。
一般的な質問や商品の基本的な使い方、サービスの特徴などならオペレーターでも説明ができます。しかし、取り扱う商品が膨大だと全てをオペレーターが把握するのは非現実的ですし、マニュアルに目を通しながらの対応になります。結局は従業員が対応した方が早くて確実となれば、電話代行を利用する理由がなくなってしまいます。電話代行サービスにもできることとできないことがありますし、機会損失を防ぐはずが反対に招くこともあるので注意が必要です。
電話代行を利用する電話対応は、社内で情報共有や取り次ぎが完結しないので、時間のロスが発生してデメリットになることがあります。社内なら電話を受けた人が、顧客の話したい相手を直接呼び出して取り次いだり、折り返しの電話をかけるようにその場で対応できます。代行サービスの場合はオペレーターがまず電話を受けて、次に携帯電話などを使って呼び出したり、非対面で取り次ぎをしなければいけないです。直接的ではない分、1つ1つのやり取りに時間がかかりますし、やり取りが増えればそれだけ時間をロスすることになるわけです。折り返しも同じですし、折り返す必要がある本人に連絡がつかなければ、電話代行サービスにはどうしようもないのでお手上げとなります。
丸投げをすることは不可能
電話代行は外注といっても部分的なアウトソーシングに留まるので、全部丸投げをすることは不可能ですし、できないことは存外多くて限界があります。利用する側が上手く活用しないことには価値を引き出せませんし、真価を活かすのは難しいでしょう。料金が分かりにくくて比較しにくいことも、電話代行サービスのデメリットの1つです。完全な定額制なら比較も容易でしょうが、実際にはプランによって金額も内訳も違ったり、異なるサービスを直接的に比較できないことが大半です。一方は基本料金に100コール分が含まれるところ、他のサービスでは50コールまでといった具合で、比較しようと思えばコール数を割って費用から単価を出さなければならないです。この手間がかかることもデメリットですが、複数の代行業務が含まれるプランの場合だと、不可分で比較しようがなくなることになり得ます。
曜日や時間帯によって受電の件数が大きく変わるケースでは、定額制では対応が難しく、課金制の方がマシということもあります。テレアポ代行なら成果報酬ですが、月によって発生したり負担する費用が定まらず変動するのはネックです。毎月の費用が確定しないことにはサービスの利用が決めにくいですし、法人などの組織では納得や賛同が得にくいです。このような懸念も含めると、電話代行サービスには案外デメリットも多く、メリットばかりを手放しに喧伝するのは無理だと理解できます。何でもそうですが、物事には二面あってメリットの裏にはデメリットが隠れているものです。裏返せば逆になるわけですが、一面を無視して表を全面的に支持したり、もう一面に目を瞑ってデメリットをただ受け入れるのは困難です。その為に良し悪しの理解と入念な情報収集、多角的な比較検討が必須で、利用するサービス選びに労力を要するデメリットが表面化します。容易に発生するものではありませんが、業務に関する重要な電話を受けたり対応するサービスの性質上、情報漏えいが発生するリスクがゼロにはならないです。
セキュリティリスク
電話代行サービスにとって、信頼は生命線で一度情報漏えいが発生すると事業の継続が難しくなりますから、オペレーターには個人情報の扱いには細心の注意が徹底されます。研修においても個人情報は顧客の財産ともいえる重要な情報で、漏えいは勿論悪用も厳禁と何度も繰り返し伝えられます。長年の実績があって情報漏えいがニュースになったこともなく、悪い評判を耳にしない電話代行サービスなら安心して個人情報を預けたり、電話対応を任せることができるでしょう。とはいでどれだけ注意を払っても人はミスをしますし、意図せず情報を第三者に流出してしまうことがないとは誰にも断言できないです。
セキュリティのリスクは電話代行サービスも理解しているところで、その対策に力を入れているところもあるほどです。リスクに強い不安を感じるならセキュリティ対策が万全な企業の代行サービスを選ぶか、追加費用が発生するにしても、万が一に備える保険の加入検討の必要性が出てきます。絶対に漏えいが許されない重大な情報を扱う場合は、残念ながら電話代行サービスの利用を断念せざるを得ないです。
利用には少なからずリスクとデメリットがついて回りますから、どちらもゼロにはならないことを理解して利用を始める必要があります。
電話代行会社を選定する際に押さえておきたいポイント
電話代行は一度サービスの利用を始めると簡単には変更できないので、電話代行会社の選定を始める前に、ポイントを確認して押さえておくことをおすすめします。
受電可能なコール数
受電可能なコール数は、1ヵ月あたりどれだけの問い合わせに対応できるかを左右するので、この数字は最初に確認するべきです。コール数で月額費用が決まる料金体系なのに、想定されるコール数を下回るサービスを選んでしまうと、超過分の追加費用が嵩むことになります。最初から受電可能なコール数に余裕を持たせて選んでおけば、このような事態にはなりませんから、まずは1ヵ月あたりのコール数を確認してからサービスの選定に入りたいところです。
対応可能な時間
対応可能な時間もまた、押さえておくべきでチェックする必要があるポイントの1つです。これはオペレーターが電話を受けて対応できる時間帯のことで、日中のみだったり夜間や深夜を含む24時間対応だったりと様々です。日中の営業時間中だけ電話対応をしてもらいたいなら、割りとどの代行サービスも対応しているので選びやすいと思われます。ただ、自社の営業時間と電話代行サービスの対応可能な時間が合わないと、サービスで対応し切れない時間が発生することになります。問い合わせや注文が殺到する数時間だけの利用ならまだしも、終日の対応となれば対応時間を確認する重要性が増します。夜間などの対応は電話代行会社によって異なるので、夕方以降の利用も想定しているのであれば、最初から夜間対応を行っている代行サービスを選択肢に加えた方が良いです。平日対応も電話代行にとっては当たり前ですが、週末や休日の対応となると話は変わってきます。この曜日別の対応も会社ごとに違ってきますし、料金についても平日とそれ以外で違うことが多いですから、なるべく早めに確認するのが正解です。
電話代行はただ代行というだと、具体的にどのような対応ができるかは不明です。詳細はサービスの内訳を確認しなければ分かりませんが、詳細に目を通せば電話代行会社による得意不得意が見えてきます。例えば、専門的なことは抜きにしてとにかく何でも電話を取って対応する電話番を得意としたり、特定の業種の問い合わせ対応に特化しているなどです。商品やサービスの使い方の分かりやすい説明に強みがある会社もあれば、クレーム対応に長けていて顧客の怒りをなだめたり、不満に耳を傾けて解消できることもそうです。何を得意とするかは電話代行会社、代行サービスによって大きく違うので、この点も確認して篩いにかけたり取捨選択する必要があります。
電話代行サービスは、どれだけ詳細に把握してから選定しても、実際に利用しないと分からない部分が存在します。不明な点を明確にしたり納得してサービスを利用したいなら、試用できるサービスを選んでお試しするのが手です。一定期間のトライアル後に本契約という電話代行サービスであれば、説明や資料に目を通すだけでは分からなかったことが把握できるはずです。業務効率化を目的にサービスを選定するなら、尚のこと自社のニーズにマッチする、相性の良い電話代行サービスを厳選するべきでしょう。
返金保証の有無の確認と返金の条件
安心には保証が不可欠なので、返金保証の有無の確認と返金の条件のチェックも肝心です。安さをウリにしている電話代行会社は、この返金保証にあまり力が入っていないことが多いです。膨大な件数の情報が漏れでもしたら大変ですし、大きな損害に繋がることもあるので、保証についての確認も忘れずに行いたいものです。オペレーターに細かい要求を伝えて対応にあたってもらいたい場合は、電話代行サービスのカスタマイズ対応が重要になってきます。カスタマイズに対応するサービスは、まるでオーダーメイドのようにオペレーターの振る舞いを注文できるので、希望に限りなく近い電話代行が形になります。このカスタマイズも、どこまで対応するかは電話代行会社の一存ですから、全てに要求に応えてもらえるかどうかは相談する会社次第です。
通常の料金では殆どカスタマイズできない場合でも、相談を行えば別料金で応じてもらえることはあります。詳細な金額についても要相談ですから、ヒアリングをして見積りで提示される金額が想定以上であれば、希望が叶うにしても電話代行サービスを利用するのは難しくなります。費用を想定内に抑えつつ希望の電話代行サービスを利用したいなら、基本料金に含まれる機能が充実していたり、オプションが豊富に用意されているサービスを選定するのが得策です。電話代行会社は利用者を増やす為に営業活動を行っていたり、営業担当者から電話がかかってくることもありますが、全てを鵜呑みにしない方が良いのは確かです。一番大事なのは何の為にサービスを利用したいか、利用によってどういう効果に期待したいか明確にすることです。営業担当者の話が面白くて信用できそうだから、他社と比べて安いからといった理由だけでサービスを決めてしまうのは早計です。信頼関係も大事ではありますが、電話代行はサービスが希望に合うかどうかが重要です。いくら安くても希望のサービスが受けられなければ、それは高い買い物というものです。
口コミや評判
電話代行に限らず、サービスの選定はサービスばかりに目が向きがちですが、提供している会社についても理解を深めることが必要となります。会社設立からの年数や手がけている事業に従業員の規模、売上高やクライアントの数といったものも比較検討の判断材料に使えます。第三者の意見も取り入れたいところですから、口コミ評価や評判に関しても確認した方が良いでしょう。
他にも、問い合わせ窓口の種類や電話がフリーダイヤルかどうか、受付日時や営業時間外の対応なども要チェックです。電話で一度問い合わせてみて、その反応からスタッフのモチベーションや対応力を測るのも1つの評価方法です。気をつけるべきは安さや強みばかりをセールストークに並べる電話代行会社で、弱みを隠したり威勢を張っているように見せることです。本当の意味で信頼できるのは、自らの弱みを理解していてそれを隠すことなく、できないことはできないとハッキリ伝える姿勢を持つ会社です。