放棄呼とは?
コールセンターで注意が必要な問題の1つが、「放棄呼」です。これはコールセンターに電話がかかってきた際に、オペレーターに繋がるまでに電話を切ったコールのことを指す言葉です。読み方は「ほうきこ」で、英語ではAbandoned calls(アバンダンコール)と呼ばれています。この放棄呼は、コールセンターのサービスレベルを把握する指標にもなっています。放棄呼が多いと、顧客の満足度の低下にもつながるという点を押さえておきましょう。
放棄呼が生じる原因
オペレーター不足
では実際に放棄呼が生じる原因には、どのような理由があげられるのでしょうか。理由として注目するべき点の1つが、オペレーター不足です。電話をかけても、すぐに繋がらないと顧客側はオペレーターが出るまで待ちきれずに放棄呼が発生してしまうことがあります。電話に対応したくても、お問い合わせ件数が電話回線数を上回っている場合、オペレーターの人数不足が原因で十分な対応ができていない可能性もあります。また「あふれ呼」は、電話が繋がらない状態のことを指す言葉です。
対応効率の悪さ
問い合わせに十分対応できるように、オペレーターの人数を十分に確保していれば、放棄呼が発生することはないというイメージを持っている方もいます。しかし十分な人数を確保していても、電話対応が十分に行われていない場合もあるので注意しましょう。人数が十分でも放棄呼が発生してしまう原因の1つが、対応効率の悪さです。
オペレーターの業務において大切な点の1つが、1人の対応に時間をかけすぎないという点です。1日に何件もの問い合わせがある中で、1人の顧客だけにかける時間が長くなってしまうと、ほかの顧客を待たせる原因となってしまいます。対応効率が悪い場合には、平均処理時間(AHT:Average Handing Time)が長くなることで、放棄呼につながる可能性が高くなります。
対応効率が悪い場合には、オペレーターを十分に確保して人員コストをかけているにも関わらず、顧客の満足度が下がってしまうリスクがあります。そのような状態になるのを避けるために、対応効率の見直しなどオペレーションなどの改善を検討することが大切です。
コールセンター側の問題だけではなく、顧客の感情や事情によって放棄呼が発生してしまうケースも見られます。少しの待ち時間であったとしても、電話越しに待たされるのが苦痛だという場合、オペレーターが対応する前に切ってしまう方もいます。また電話中に用事を思い出したなどの理由によって、すぐに繋がらないことで顧客側が自発的に電話を切ってしまうこともあります。顧客事情の場合は、放棄呼を防ぐことが難しいこともありますが、可能な限り少ない待ち時間で対応できる環境を整えることが大切です。
呼量の混雑
放棄呼の原因には、呼量の混雑もあげられます。特定の時間帯やシーズンによっては、時間当たりの通信回線占有量を示す「呼量」が混雑してしまうこともあります。そのような場合には、システム側の切断によって顧客の電話に出られない状態になってしまいます。この場合、電話をかけた顧客側には「しばらく経ってからおかけ直しください」などのアナウンスが流れます。アナウンスが流れるだけでつながらないので、放棄呼になってしまうと押さえておきましょう。
実際に顧客側がしばらく経ってからかけ直した場合でも、混雑している状況が続いていると顧客側に何度も電話をしてもらう手間をかけさせるかもしれません。何回かかけても「しばらく経ってからおかけ直しください」のアナウンスが続くと、顧客側は電話することを諦めてしまい、会社側に対する好感度も下がってしまう可能性があります。
呼量の混雑が原因という場合には、なぜ混雑してしまうのか原因を考えて対応することも必要です。特定の時間帯や会社の繁忙期だけ電話数が増えるなどの場合であれば、その時期だけオペレーターや回線数を増やすなどの対応をするのも1つの手です。状況に合わせて、適切な対応ができるようにしましょう。
またコールセンターで注意が必要な指標の1つとして、放棄呼率があげられます。この放棄呼というのは、オペレーターに繋がる前に顧客側が電話を切った、もしくはシステムが自動で切断をした放棄呼の割合のことを指します。アバンダンレート(Abandon Rate)と呼ばれていて、放棄呼率が高いコールセンターは評価が下がってしまう可能性が高いので注意しましょう。
実際に放棄呼率は、入電に対するコールセンターの顧客対応能力を示す指標となっています。サービスレベルを図るKPIという側面も持つので、少しでも放棄呼率を下げられるように、コールセンターの環境を整えていくことが大切です。
放棄呼率は、「放棄呼数÷着信件数×100」の計算式で表せます。100件の電話に対して10件対応できなかった場合は10%、100件中5件に対応できなかった場合であれば、5%の計算になります。コールセンターにおける理想は0%ですが、0%を達成するためにはさまざまな工夫が必要です。少しでも低い割合に抑えられるようにするためにも、どのような対策が必要となるのか確認していくことが大切です。
放棄呼率を下げるうえで大切なポイント
実際に放棄呼率を下げるうえで大切なポイントの1つが、原因を1つずつ確認して必要な対処を行っていくという点です。いくつか生じる原因があるといっても、実際に抱えている問題は環境ごとに違いがあります。自社のコールセンターにおける問題点を確認したうえで、主な原因が何なのか、具体的にどのような対応を行うのがベストなのか考えていくことが大切です。状況に合わせて適切な対処ができるようにしましょう。
また放棄呼の問題は、1度解決したらおしまいというものではありません。より低い放棄呼率を目指し続けることで、コールセンターにおけるサービスの向上につなげられます。定期的に放棄呼率が高くなっていないか見直しましょう。割合が高くなっている場合には原因が何か確認し、その都度必要な対策を行っていくことで、サービスを向上し顧客の満足度を高めることも可能です。常により良い環境を整えるために努力を続けることが大切です。状況に合わせて臨機応変に対処していくことも忘れないようにしましょう。
コールセンターが放棄呼を放置することで生じる問題点
放棄呼がコールセンターにおいて注意が必要なポイントだと言われても、具体的にどのような問題点が生じるのか把握していなければ、対策の必要性を理解するのが難しくなるかもしれません。そこで放棄呼について考える前に、まずはどのような問題点が生じる可能性があるのか把握するところから始めましょう。問題点を把握することで、対策の重要性を理解し、適切な対策が講じやすくなるかもしれません。
放棄呼における大きな問題点
機会損失につながるリスクがある
例えば放棄呼における大きな問題点の1つが、機会損失につながるリスクがあるという点です。実際にかかってくる電話の中には、仕事や受注などの依頼や検討に関するものも含まれます。このような電話に出ることができないと、仕事や受注を検討していた方は、ライバル社に電話をしてしまって自社の業績アップへとつなげられない可能性もあります。
そもそもコールセンターというのは、商品購入や資料請求における窓口的な存在を担っています。インターネットで情報収集やメールでのやりとりができる時代であっても、まずは電話して担当者から直接話を聞きたいと考えている方も多くいます。ファーストコンタクトに電話を選ぶ方も多くいるからこそ、放棄呼の問題を放置していると機会損失の発生につながるリスクがあるという点を押さえておきましょう。
仕事や受注を検討中といっても、コールセンターに電話をする顧客というのは、購買意欲が高いケースが多くなっています。少し興味を持っている段階であれば、メールで資料請求を行って、複数の会社を比較する場合もあります。ですが直接電話をするということは、資料請求に加えて担当者からより詳しい話を聞いてみたいと考えている場合が多いのです。そのような購買意欲の高い顧客を逃すことがないように、放棄呼が発生しないように対策を行いましょう。
1回の受注の機会を失うだけであれば、短期的には大きな損失でも、長期的には大きな問題に発展しないかもしれません。ですが放棄呼が発生する問題が続いていると、長期的な問題に発展するリスクもあるため注意しましょう。
例えば初めて電話した際に、なかなか繋がらないと顧客側は連絡がつきにくい企業というイメージを持ってしまう可能性があります。1度繋がらないという印象を与えてしまうと、顧客からの印象が悪くなるので、次回以降のビジネスチャンスを逃してしまうケースも見られます。1回の放棄呼の問題が、その後の継続的なビジネスチャンスを逃すリスクもあると考えることが必要です。
最初は1回だけの依頼であっても、利用してよかった企業や製品、サービスを継続的に利用したいと考えて電話している顧客も多くいます。そのため1回の放棄呼の問題は、1回だけ受注機会を失うというものではなく、長期的に企業や製品、サービスへのイメージが低下してビジネスチャンスを失うリスクにもつながると押さえておきましょう。
顧客満足度の低下につながる
ほかにも放棄呼で注意が必要な点の1つが、顧客満足度の低下につながることです。そもそも放棄呼は、待ち時間が長くて顧客側が電話を切る、もしくは電話が繋がらないアナウンスが流れて、顧客側がかけ直しをする必要があるものです。待ち時間やコールバックが発生するだけで、顧客側には不満やストレスが増加します。何回かかけ直すのは時間や手間がかかる行為で、満足度が下がってしまうことを押さえておきましょう。
放棄呼は、顧客満足に関する指標を悪化させるので注意が必要です。顧客満足度に関連する指標にはCES(Customer Effort Score:顧客努力指標)があげられ、少しでも高い数値を残すことで、会社全体の評価向上にもつながります。満足度が高いと業績アップにもつながるだけではなく、社員のモチベーションアップなどにもつながるケースが見られます。少しでも高い評価を得られるようにして、顧客と社員の両方にとってより良い環境を整えていくことが大切です。
オペレーターの負担の増加
さらにコールセンターが放棄呼を放置する場合には、オペレーターの負担の増加に注意が必要です。あふれ呼によって、待ち状態の顧客が発生するだけで、オペレーターの負担が増えます。放棄呼やあふれ呼によるかけ直しで対応してもらえた顧客は、本来の問い合わせのほかに、待ち時間が長いことに対するクレームを寄せる場合があります。問い合わせ内容のほかにクレーム対応が入ると、1件当たりの対応時間が長くなります。クレーム対応分の時間が発生することで、オペレーター側の負担も大きくなるという点を押さえておきましょう。
クレーム対応で注意が必要な点の1つが、オペレーター側は負担だけではなくストレスを抱える場合もあるという点です。人からクレームを多く言われるのは、気持ちよくできる仕事ではありません。クレーム対応が多くなってオペレーターが嫌な思いをしないように、コールセンターの環境を整えていくことが大切です。
また入電数が増えると、効率よく対応するために、管理者側はスキルの高いオペレーターを中心に仕事を振るケースも多く見られます。スキルが高いオペレーターに仕事を振ることで、コールセンター全体の仕事効率は高くなるかもしれません。ですがスキルが高いオペレーターは、自分にばかり仕事を抱えることに対して不満を持つ可能性があります。職場に対する不満が増えると、離職率の増加にもつながるリスクがあるため注意しましょう。
オペレーターの負担を減らすことは、気持ちよく働いてもらううえで大切なポイントの1つです。放棄呼の問題解決には、顧客対応にばかり注目する方も多くいます。実際に電話対応を行っているのはオペレーターだという点を押さえたうえで、オペレーターのストレスや負担が増えすぎないように注意することが大切です。
放棄呼の問題点を確認しましょう
このようにコールセンターが放棄呼を放置することで生じる問題点といっても、いくつかの種類があげられます。具体的にどのような問題が生じるかは、それぞれの環境によっても違いがあります。まずはどのような問題点が発生しているのか確認し、状況に合わせて適切な対処ができるように環境を整えていきましょう。問題点ごとに適した対応策が異なることを理解し、問題の早期解決方法を検討していくことが大切です。
コールセンターにおける放棄呼の対策方法
放棄呼を放置すると発生する問題を避けるためには、どのような対策方法があるのでしょうか。ビジネスにおけるリスクや損失を避けるためにも、状況に応じて必要な対策を行うようにしましょう。
放棄呼の対策方法
オペレーターへの適切な教育
実際に放棄呼の対策として行える方法の1つが、オペレーターへの適切な教育です。オペレーターの知識や経験が不足していると、平均処理時間が長くなって放棄呼の問題を解決するのが難しくなります。そこで効率よく対応できるようにするために、オペレーターへの研修の実施などの方法で対策を行うことが大切です。対応マニュアルの作成やFAQナレッジの整備などでも、オペレーターが対応しやすい環境を整えることが可能です。
オペレーターの教育において忘れてはいけない点の1つが、自社で販売している商材への理解を高めるという点です。基本的な電話対応が問題なくできたとしても、扱っている商品やサービスの理解度が低ければ、スムーズに問い合わせなどの対応をすることが難しくなります。研修では電話対応だけではなく、商材の知識に関する内容もしっかりと学べる環境を整えましょう。
オペレーターの意識改革
そしてオペレーターの意識改革をすることも、コールセンターにおける放棄呼の対策では必要なポイントです。例えば平均通話時間(ATT:Average Talk Time)や、平均後処理時間(ACW:After Call Work)などの対応効率における指標をオペレーターが意識できる環境を整えるのも1つの手です。効率よく処理することが大切とオペレーターが意識するだけでも、環境の改善につながる可能性があります。
アウトソーシングサービスを活用する
また放棄呼の対策方法には、アウトソーシングサービスを活用するという選択肢があげられます。コールセンターの業務の一部、もしくは大部分を外部に委託してしまうアウトソーシングを利用すれば、放棄呼の問題を解決できるかもしれません。実際にコールセンターの環境を整えたいと考えていても、環境整備の予算がない、良いオペレーターを採用もしくは教育するのが難しいという場合もあるでしょう。そのような場合はアウトソーシングを活用して、人材コストの削減につなげることも可能です。
アウトソーシングは、長期契約ではなく、繁忙期だけ利用するという選択肢もあります。スポット業務という形で繁忙期だけアウトソーシングを活用することで、電話件数が増えるタイミングでも問題なく対処しやすくなります。
IVRやビジュアルIVRを活用する
さらにコールセンターにおける放棄呼の対策方法には、IVRやビジュアルIVRを活用するという選択肢もあります。IVRは「Interactive Voice Response」の略で、「自動音声応答システム」を指します。つまり電話業務の自動化や自動受付を活用することで、待ち時間が発生する環境を失くし、顧客に適切な対応ができる可能性があります。
実際にIVRを活用する場合には、ACD(Automatic Call Distributor:着信呼自動分配装置)と合わせて活用するケースが多くなっています。このACDは、顧客の要件に合わせてオペレーターをマッチングする機能があります。例えば「商品の問い合わせはダイヤルの1番」、「その他のご用件はダイヤルの3番」などのガイダンスを流すことができるのがACDの特徴です。このガイダンスによってスムーズな案内ができるようになることで、すぐに対応できるオペレーターへ自動的に振り分けやすくなるという点を押さえておきましょう。
IVRの活用にはメリットがある一方で、音声ガイダンスの長さやプッシュ操作の繰り返しに対して不満を抱えているケースも多く見られます。これらの問題を解決するために、最近では「ビジュアルIVR」が使われるケースも増えています。ビジュアルIVRでは、スマートフォンなどの画面上にメニューが表示されて、顧客側が選択していくことでスピーディーに問題解決へとつなげることが可能なシステムです。このシステムで顧客側が問題を解決できたら、オペレーターが電話に出なくても適切に問題の解決ができます。導線の分析機能を搭載した製品と合わせることで、会話設計やフローチャートを改善して、顧客が利用しやすいビジュアルIVRを提供することにつながります。
チャットボットが導入
ほかにも放棄呼の対策方法として、チャットボットが導入されているケースも見られます。コールセンターが対応している問い合わせは、同じような内容が中心となっている場合もあります。同じような内容や簡単な質問であれば、顧客側がチャットボットを使うことで簡単に解決できる環境を整えることが可能です。チャットボットで解決できる問題が増えることで、コールセンターにかかる電話の件数も減るため、放棄呼の問題を改善しオペレーターの負担を軽減することにもつながります。
FAQの設置
さらにFAQの設置も、放棄呼の対策には必要なポイントの1つです。商品やサービスの内容について気になる点があっても、電話をするのは面倒と考えている顧客も多くいます。ですが調べてわからないことであれば、電話するしかないと考えて問い合わせをするケースも多く見られます。このような場合、調べて分かる内容であれば、コールセンターに電話しなくても顧客は自分で疑問点などを解消できます。そこで顧客が疑問点などを解消できるように、FAQを設置することが大切です。
自社のホームページにFAQが設置されていれば、顧客が抱えている問題を自己解決できます。ホームページ内のどこかに書かれている情報だとしても、多くの情報が記載されているホームページの中から目的の情報を探すのには時間がかかります。FAQでよくある質問がまとめられていることで、顧客側が知りたい情報をすぐに把握できるため、電話での問い合わせ減少につなげることが可能です。またビジュアルIVRからFAQページに誘導するという形でも利用可能です。
放棄呼の対策を考えていきましょう
このようにコールセンターにおける放棄呼の対策方法といっても、いくつかの選択肢があげられます。1つの対策方法だけを実行するのではなく、状況に合わせていくつか組み合わせることで、自社に合った形で問題解決につなげられるかもしれません。対策の予算や状況に合わせて、どのような対策がベストか考えていきましょう。
電話代行サービスで放棄呼の対策をしましょう
放棄呼の対策を行いたいと考えているときに注意が必要なポイントの1つが、自社だけでは十分な対策をするのが難しい場合もあるという点です。特に繁忙期などの場合には、商品やサービスなどに関する問い合わせ件数が増えて、十分な対応ができずに放棄呼が増えてしまうケースも見られます。また自社内でコールセンターを整備したいと考えていても、ノウハウや人材が確保できていない段階で始めると、環境が整っていないことで放棄呼が増えて顧客の満足度の低下につながるリスクがあります。このような状況を避けるために、放棄呼の対策を行うのであれば、電話代行サービスを活用するのも1つの手です。
電話代行サービスで放棄呼の対策を行うメリット
自社でコールセンターの環境を整える手間や時間、そしてコストを削減できる
実際に電話代行サービスで放棄呼の対策を行うメリットの1つが、自社でコールセンターの環境を整える手間や時間、そしてコストを削減できるという点です。すでにコールセンターがある状態なら、人材育成に力を入れることでより良い形で対策ができるかもしれません。しかしコールセンターがない、営業が問い合わせの電話も合わせて担当しているような状態だと、社内で新しくコールセンターを作るより、アウトソーシングを行って電話代行にすべて任せてしまうほうがさまざまな負担を減らせる可能性があります。
そもそも電話対応のために新たな人材を確保しようと考える場合、いくつか注意が必要なポイントがあります。その注意点というのが、適した人材を確保するのが難しいという点です。次世代を担う社員を育成したいと考えても、研修に時間がかかる、時間をかけて育成しても退職するリスクがあるような状況だと、お金をかけて環境を整えても無駄になるかもしれません。一方電話代行の場合、すでに十分な対応ができる環境が整っているところにアウトソーシングできます。予算に合わせて必要なサービスを受けられるため、無駄なコストが発生するリスクが低く、放棄呼の問題を避けられます。
仕事の受注電話を逃しにくい環境を作れる
また放棄呼の問題は、顧客からの問い合わせだけではなく、仕事の受注電話を逃しにくい環境を作れるのも電話代行を利用することならではのメリットです。外出が多い、もしくは少人数で事務所を回しているなどの場合には、事務所にかかってきた電話にすぐ出るのが難しいという場合もあるでしょう。すぐ電話に出られないことでビジネスチャンスを逃すリスクがあるとわかっていても、少人数などの状況によっては十分な対応ができません。そこで電話代行を利用するという選択肢が生まれます。
電話代行でオペレーターにすぐ電話対応を行ってもらうことができれば、放棄呼を減らすことにつながります。重要な電話はすぐ折り返せる環境を作れるため、商談や契約のチャンスを逃しにくくなります。放棄呼の対策になるだけではなく、ビジネスチャンスを増やすうえでも電話代行が役に立つこともあるという点を押さえておきましょう。
業務の効率化につながる
また電話代行には、業務の効率化につながるというメリットがあげられます。放棄呼を減らすために、オフィスにいる間は何らかの作業中でも電話に出ることを優先するという方も多くいます。しかし電話に出ることを優先すると、自分の作業効率が落ちて、営業時間内に業務が終わらない、残業時間が増えるなどの問題につながる場合もあります。電話代行を依頼すれば、電話対応で業務が何度も中断される状況を防げます。特に営業電話などが多くかかってくるようなオフィスだと、セールストークを何度も聞かされて面倒な思いをしているかもしれません。業務の効率化は、社員の負担を減らすうえでも重要な要素です。
電話代行を利用すると、基本的にすべての電話の一時対応をコールセンターで行うことになります。そして電話の内容に応じて、社員による対応が必要だと判断された場合のみ取次ぎをしてもらうという仕組みがあります。営業電話や迷惑電話はすべてコールセンターで対処してもらって、顧客からの仕事の受注などの電話のみ、担当社員が取り次げるので、無駄な時間や労力を減らしながら、仕事のチャンスを逃さないというメリットが電話代行にはあります。放棄呼以外のメリットも考慮しながら、電話代行の利用について考えていくことも必要です。
電話代行サービスで放棄呼の対策を行うデメリット
実際に電話代行の利用を考える場合には、放棄呼の対策になるなどのメリットに加えて、デメリットも含めて検討していくことが大切です。例えば注意が必要なデメリットの1つとなるのが、費用の問題です。アウトソーシングで電話代行を利用するためには、当然のことながら費用がかかります。1日にかかってくる電話の件数が多い場合ほど、電話代行を利用する場合の費用は高くなってしまうので注意しましょう。電話の件数が多い場合には、初期投資の費用がかかっても、自社でコールセンターの環境を整備したほうが費用面でもお得になる可能性があります。長い目で見て電話代行の利用が適しているか検討することも必要です。
また放棄呼の対策として電話代行を利用したいと考えているものの、電話の件数が増えて対応しきれなくなるのは特定のシーズンだけという場合もあるでしょう。特定のシーズンだけ問い合わせが多いという場合であれば、そのタイミングだけ電話代行を利用するという選択肢もあります。短期間だけで電話代行を利用することで、繁忙期の放棄呼を最小限に抑えて、顧客からの満足度が低下するのを防ぐことにつながります。
ほかにも電話代行を放棄呼として利用する場合に注意が必要なのが、対応面と情報の問題です。電話代行サービスのスタッフは、自社の社員と同じように商品やサービスの知識を持っているわけではありません。持っている知識が社員と比較すると少ないことで、商品への質問などのケースでは、顧客に十分な対応ができない可能性もあります。
さらに電話代行では、商品やサービスなどの基本情報を電話代行業者にある程度提供することになります。自社の機密情報などは厳重に管理し、情報の管理責任者や責任範囲を明確に決めておくことで、トラブルを防ぐことにつながります。放棄呼の対策となるメリットがある一方で、電話代行を利用する場合に発生するデメリットへの対策も必要となることを押さえておきましょう。メリットを活かしながら、より良い形で利用できる環境を整えることが大切です。
代行サービスを選ぶポイント
放棄呼の対策のために電話代行サービスを利用しても、自社に合わない内容のものを選んでしまうと、予算をオーバーしてしまう、適切な対応をしてもらえないなどの別の問題が発生するリスクがあります。本来の目的である放棄呼の対策をしながら、満足度の高い形で電話代行サービスを利用するためにも、選ぶ際にどのようなポイントを押さえておけばいいのか最初に確認しておくことが大切です。
電話代行サービス選びで押さえておくべきポイント
料金
まず電話代行サービス選びで押さえておくべきポイントの1つが、料金の問題です。料金は月々の電話件数や対応時間などさまざまな条件で変わってきます。平日の営業時間のみ電話代行を利用したいのか、土日祝日も代行して欲しいのか、24時間対応が必要になるのかなどの点を整理して、最初にどのような形で代行サービスを利用するか決めましょう。
実際に24時間体制で電話代行サービスを利用すると、電話件数が多いと費用が高くなって予算オーバーとなる可能性もあります。少ない予算で代行サービスを利用したいと考えているなら、特定の時間帯やシーズンのみ代行してもらうという選択肢もあげられます。人手の足りない時間帯や繁忙期のみ代行してもらう形を選ぶことで、放棄呼が発生しやすいタイミングだけ対策をしやすくなります。
また代行サービスの場合、特定の電話件数までは定額料金のプランと、電話1件ごとに料金が発生する成果報酬制のプランにわけられます。月々の電話件数に応じてどのようなプランが適しているかが異なるので、状況に応じて利用するプランを決めましょう。
ほかにも代行サービス選びの料金の問題で注意が必要な点となるのが、初期費用の問題です。自社でコールセンターを0から整備するより初期費用が抑えられると言っても、契約時に初期費用やオプション費用が発生する場合もあります。具体的にどのくらいの初期費用が発生するかは、利用する代行業者によって異なります。月額費用以外に必要なコストがあるのか確認したうえで、契約するか検討するようにしましょう。
放棄呼の対策を行うために電話代行サービスを利用しても、利用する代行サービスの質が悪いと放棄呼
が多く発生してしまうリスクがあります。大切な顧客へ適切な対応をしてもらえるように、オペレーターの質に注目して利用する電話代行サービスを選ぶことが大切です。しかしオペレーターの質に問題がないかという点は、代行業者のホームページなどを見るだけでは判断が難しい部分でもあります。そこで質の問題を確かめるために、評判や口コミを参考にするのも1つの手です。
電話代行業者における評判や口コミを調べることで、サービスを利用している方がオペレーターの質に満足しているのかなどの情報を集められます。評判や口コミを調べる場合には、可能なら複数の情報源から情報を集めるようにしましょう。特定の情報源だけだと意見が偏る場合もあるため、複数の情報源の意見を知ることで、信頼して任せられそうなオペレーターが多く在籍している環境なのか判断しやすくなります。
また代行サービス選びでは、柔軟な対応が期待できるかという点の確認も必要です。事業内容や会社の状況に変化があった場合、対応して欲しい時間帯や月の電話件数が変化する場合もあります。状況の変化によって、今まで契約していた電話代行のプランが合わなくなるかもしれません。実際に状況が変化したとき、プランの変更などに柔軟に対応してくれる代行業者であれば、安心して利用しやすくなります。
対応の報告方法
ほかにも電話代行業者選びで注目するべきポイントの1つが、対応の報告方法です。実際に電話代行をしてもらったとき、対応内容をどのように知らせてもらえるかという点を事前に確認しておきましょう。重要な電話のみメールや電話で知らせるケースもあれば、ビジネスチャットなどを利用してリアルタイムで情報共有が可能な仕組みを整えている業者もあります。
電話対応の報告の際、利用可能なコミュニケーションアプリは利用する業者によって異なります。特定のコミュニケーションアプリで報告して欲しいと考えているなら、そのアプリに対応している業者を見つけるところから始めましょう。さらに自動でチャットツールに連携して、受電内容を通知してもらえる仕組みを整えているケースも見られます。報告のチェックが遅れると、放棄呼が防げても重要な電話への折り返し対応が遅れてビジネスチャンスを逃すかもしれません。ビジネスチャンスを逃さないように、重要な情報はすぐに報告してもらえて確認できる環境を整えることが代行サービスの利用で大切な点です。
電話対応の進捗状況を確認するうえでは、別のツールとの連携機能がある代行サービスを選ぶのも1つの手です。自社のスタッフとの連携や対応漏れによってビジネスチャンスを逃すのを防ぐために、電話対応の進捗情報が確認できる管理ツールと連携し、対応漏れを防ぐという選択肢があります。ビジネスチャットのほかにも便利なツールがあるという点を押さえたうえで、状況に応じて適切に対処できる環境を整えましょう。
電話代行サービス選びの注意点
また電話代行サービス選びでは、注意点となる部分の確認も忘れてはいけません。特に注意が必要なポイントなるのが、自社にとって大切な情報が漏洩するリスクを伴うという点です。顧客の個人情報や機密情報が漏れる可能性もあるため、信頼できるオペレーターを採用しているのか、代行業者側の情報管理は徹底されているのかなどのポイントを確認しましょう。基本的に代行業者は個人情報や機密情報の管理を徹底していますが、念のため口コミなどを調べてトラブルが起きていないか確認しておくことも大切です。
ほかにも代行サービスで注意が必要なポイントとなるのが、専門的な内容の場合には対応を任せるのが難しい場合もあるという点です。専門的な内容の問い合わせがあった場合、どのように代行業者側と連携して対処するのか事前に決めておきましょう。専門的な内容にもある程度対応できるオプションを用意している場合もあるため、必要に応じてオプションを利用した形での代行業者の利用を検討するのも1つの手です。
ただしオプションを利用する場合には、プラスアルファの費用が発生するので、予算をしっかりと管理しながら利用を検討することが大切です。