仕事用の電話番号が欲しくなるときってどんなとき?
仕事用の電話番号が欲しくなるときは様々ですが、例えば家族と連絡をするプライベート用とは別に、仕事用が欲しくなる場合があります。携帯電話をプライベートと仕事に使うことはできますが、1台を使い分けるとなると思いの外手間で大変です。忙しいときに番号を確認せずに電話に出て、家族だと思って気安く声をかけてもし相手が仕事の相手だとしたら、気まずい雰囲気になってしまうでしょう。中には相手を怒らせてしまったり、間違えた理由を説明する必要が出てくるケースも考えられます。いずれにしても、プライベートと仕事用は分けた方が良いのは間違いなく、仕事専用の番号があればこのような事態は避けられます。大切なのは用途に合わせて電話番号を分けること、相手に失礼がないようにする目的もそうですが、仕事に集中する為に専用の番号を用意するのが望ましいです。
プライベートと仕事用に電話を分けよう
個人事業主の場合は、新たに電話回線を引いたり設置するほどでもないと考え、家の電話を仕事に使うこともあるでしょう。こういうケースもうっかり間違いや相手に失礼な対応をしてしまうリスクがあるので、やはりミスやトラブルを避ける意味でも、仕事用の電話番号を得て使い分けるべきです。プライベートな電話番号は、信用できる相手であれば教えたり連絡を取ることに抵抗感はないですが、不特定多数の相手に晒すとなると話は違ってきます。これは例えば、WEBサイトに連絡先として掲載するケースが挙げられます。自社サイトやECサイトのように、運営者に関する情報を掲載しなくてはいけない場合、電話番号の項目を省くのは良くないです。番号の掲載がないと問い合わせをしたい人に連絡先を知る手段がなく、そうなれば信用が疑われることにもなり得ます。広告を出稿する際にも連絡先は必要ですし、不特定多数に番号を晒すことになるのはサイトに掲載するのと同様です。メールなどの問い合わせを受けた場合に個別に電話の連絡先を教える手もありますが、結局は番号を教えることになりますし、誰かが他の人に教えてしまうことも可能性としてあります。つまり電話番号を隠し通すのは現実的に考えて無理があるので、仕事用の番号はあった方が良いという結論に至ります。
オープンに公表しても問題のない番号なら、堂々とサイトに掲載することができますし、どのような相手か気にせずに連絡先として活用可能です。勿論、間違いやいたずら電話がかかってくるのは困りますが、電話番号を晒さなくてはいけないケースは確かにありますし、そういうときに仕事用の番号があると安心です。既に仕事用の電話番号を持っている人でも、不特定多数向けとクライアントとのやり取りを分けたい人もいるでしょう。このように、用途別に電話番号を使い分けるというのも、仕事用の番号が欲しくなる理由の1つです。
複数の番号があれば受ける電話も使い分けられますし、電話が1つであっても番号を見てどういった問い合わせの用件かを判断したり、対応を変えることができます。着信履歴も番号別に分類して確認したり管理できるので、そのような使い方を考えてもやはり、仕事用の電話番号があると便利で活用の幅が広がります。事業が拡大して従業員を雇うことになったときにも、仕事用の番号が欲しくなったり必要になってくるでしょう。同じ電話番号を複数の従業員で共有できるとなれば、従業員を雇用する度に新たに入手する必要がありませんし、従業員が増加することになっても番号を増やさずに済みます。数あるサービスの中には、携帯電話やタブレットPCにパソコンと、複数のデバイスで同一の電話番号を使い回せるものもあります。改めて、仕事用の電話番号が欲しくなるケースは多いことが分かりますし、その目的も多岐にわたることが理解できます。
仕事用の電話番号が欲しくなる理由
理由をいくつかの分類にまとめると、1つはプライバシー確保でもう1つは仕事の効率アップ、そして何よりビジネスにおける信用となるでしょう。事業を立ち上げると分かりますが、案外何かと電話番号が必要になったり、教えなくてはいけないことがあります。とりあえずプライベート用を教えることもできますが、番号を教える相手が増えると、それだけかかってくる電話も増加することになります。これではプライベートタイムが休まる時間になりませんし、仕事とプライベートの境界線が曖昧になって、実質的に1日中仕事の電話がかかってくる可能性にある状況に置かれてしまいます。仕事は仕事、プライベートはプライベートですから、メリハリをつけて業務に集中する為にも、最低でも1つは仕事用の電話番号があった方が良いです。
いつまでも自宅や個人の電話番号で仕事をするというわけにもいきませんし、1つを使い分けるのが楽という人も、いずれは仕事用が欲しくなるでしょう。それなら入手は早いに越したことはないですし、最初から仕事専用の電話番号を相手に伝えておけば、後から仕事用の番号を教えて登録を変更してもらう手間が省けます。事業を増やす場合も、電話番号は使い分けできた方が便利なので、こういった状況の発生も仕事用の番号が欲しくなる切っ掛けになります。なくても構わない、あった方が良いというレベルではなく、ないと困ったり場合によっては業務に支障をきたします。それが仕事用の電話番号の性質で、タイミングは人それぞれですが、いつかは必要性に気がついて欲しくなるはずです。そういったときに、楽に入手できる方法があれば助かりますし、前向きに仕事用番号の入手を検討することができるでしょう。
仕事用の電話番号の入手は、対外的な問い合わせ受付などの用途が主な目的に思い浮かべられますが、社内向けの用途もあります。従業員同士が業務に関する連絡を取り合ったり、クライアント対応の最中に、外出中の従業員に判断を仰ぐといった活用方法も検討できます。いずれにせよ、業務には電話が必須と言っても過言ではなく、複数の番号を使い分けができるならその方が効率が良くなります。
仕事用の番号が欲しくなるときは大抵の場合、不便を感じていたり不満を解消したいはずなので、感じている不便や不満に目を向けて番号入手の検討をおすすめします。
仕事用として手軽に入手可能な電話番号の種類は?
電話番号の種類は大きく分けると固定電話に携帯電話、そしてIP電話の3種類に分けられます。
電話の種類
1.固定電話
固定電話にはいわゆるひかり電話も含まれていますが、電話番号入手の難易度は他の種類と比べて少し高いです。ただ東京03や大阪06といった、市外局番も含めて入手できる強みがあります。電話番号が信用を決めるものではないですが、今でも03や090といった種類を見て、信用できる相手か判断する人はいます。正確には電話番号の種類が判断材料の1つになると言った方が正しいですが、いずれにしても固定電話の番号の信用度が高いのは確かです。080や090で始まる携帯電話番号の入手にも契約が必要で、手間やコストがかかることになります。
2.携帯電話
携帯電話の番号は個人で使用する印象が強いことから、会社の代表や問い合わせの受付には向かないです。個人事業主が一人で営業や問い合わせ対応など、一人で何役もこなす場合は別ですが、法人なら電話受付の番号に携帯電話番号は避けたいところです。とはいえ、代表に直通の電話として携帯電話番号を入手したり、自社サイトに掲載するといったことはあります。
3.IP電話
IP電話は050から始まる電話のことで、一言で説明すればインターネットの回線で音声をやり取りする仕組みです。一見すると難しそうなイメージですが、電話をかける意味では従来の他の種類とは大きく変わらないです。アカウントを電話番号代わりに通話をするLINE電話も、一種のIP電話だといえるでしょう。つまり、電話番号がない通話方法もIP電話に含まれますが、このタイプは携帯電話に専用アプリを入れるのが利用の前提なので、固定電話のような使い方はできないです。しかし050の番号が発行されるIP電話サービスなら、固定電話からでも携帯電話からでも電話が受けられます。050が使えるIP電話もアプリを必要とすることが多いですが、電話としての使い勝手は確かなものですし、固定電話や携帯電話の番号入手より手軽に使い始められるのは間違いないです。電話番号はこのように契約をして入手したり、アプリをインストールして発行された番号を使う方法があることが分かります。
電話番号転送サービス
それともう1つ、固定電話にかかってきた電話を携帯電話などの他の番号に転送してもらうサービスもあります。電話番号転送サービスは固定電話の他、携帯電話の番号も発行されるので、問い合わせなどの電話を受けるのに活用することができます。固定電話番号なら携帯電話でも受けられるので、外出中でも問い合わせの電話を逃さずに済みます。それに携帯電話番号以上の信用が得られますから、その点も電話番号転送サービスの魅力となっています。電話番号転送サービスは、携帯電話会社を含む多くの電話会社で提供が行われているので割りとメジャーですし、活用している法人も珍しくないです。
例えば東京に拠点があり市外局番03の番号を持っていて、関西圏でも知名度を高める目的で大阪06の番号も使いたい、そういうケースにも電話番号転送サービスが役立ちます。サービスの利用料はかかるものの基本料金は手頃ですし、新たに契約をして電話回線を引かずに済むのは便利です。仕事用に手軽さを重視して電話番号を入手するとなると、やはりIP電話か電話番号転送サービスとなるでしょう。固定電話番号の入手が必須で、電話回線を引かないと入手できないなら選択肢は一択ですが、数字に拘らないなら携帯電話でも良いということになります。080や090の入手の難易度の低さでいえば転送サービスに軍配が上がりますし、純粋な入手性ならIP電話でしょう。このように電話番号の入手性はIP電話と電話番号転送サービス、固定電話と携帯電話の順に並びます。
固定電話はそもそも欲しい市外局番を入手しようとすると、その地域に拠点を置く必要が出てきます。つまり市外局番03の番号なら東京、06であれば大阪に拠点を開設して、電話回線を引くことが必要となります。これはとても手軽とはいえませんし、費用も馬鹿にならないので、手軽に入手できる仕事用の電話番号の選択肢からは外れます。携帯電話番号の入手に契約する地域は問われませんが、市外局番がつく電話番号は入手できないので、市外局番に拘る場合は選択の候補にならないです。
IP電話と電話番号転送サービス
となれば残るはIP電話と電話番号転送サービスの二択です。何が何でも固定電話の市外局番が欲しいなら電話番号転送サービス一択ですが、拘りがなければIP電話が最も入手しやすい選択肢となるでしょう。早く新しい連絡先を使い始めたい、とりあえず仕事用に電話が欲しい、電話回線を引いたり契約する携帯電話を増やさずに番号のみ増やして使い分けたいなら尚更です。仕事用の電話番号があれば、電話受付用に使うことができますし、メールやLINEの問い合わせ受付とはまた違った問い合わせ先の提供で信用を高めることができます。最初に電話で問い合わせを受けて以降のやり取りはネットに移行、こういった対応をするのにも、手軽に入手できる電話番号があると助かります。IP電話はネットで申し込めたり、いくつかの簡単な手続きで利用を始められるのが魅力です。転送サービスは、電話をかけるのと受けるのに同じ番号が使えるかどうかはサービスによります。これは、固定電話番号で電話を受けることができても、こちらから折り返す場合に違う番号でかけることになる可能性があることを意味します。それなら最初から固定電話の回線を引くか、固定電話番号が使えないことを割り切ってIP電話を選択するのが賢いです。
既存の携帯電話を固定電話代わりに使いたいなら、尚のことIP電話の有用性が高まります。以前は携帯電話とも違う番号で不安という声もありましたが、活用する法人が増えた現在では050で始まる番号が広く知られ、イメージも変わってきています。法人や個人事業主にとっては手軽さ、入手性の良さで注目を集めていますし、ニーズに合わせてサービスが増えていますから、選択肢が増加中にあります。パソコンで使えるサービスもあるので、オペレーターが電話を受けるといった業務に活用することも考えられます。
IP電話って何?おすすめなIP電話は?
IP電話はこれまでのアナログ電話とは異なり、インターネット回線を利用する電話サービスで、従来の電話網をネットに置き換えたものと考えると分かりやすいです。アナログ電話にあたるものが市外局番から始まる固定電話で、このIP電話は050から始まるのが特徴の1つです。ちなみに、広義にはひかり電話の仕組みもIP電話に分類されますが、こちらは固定電話的に使用できる点が違います。一般家庭向けのIP電話は、光ファイバーなどのインターネット回線を用いて、圧縮された音声をネットワークに乗せて転送します。この方法をボイス・オーバー・インターネット・プロトコルといい、頭文字から一般的にはVoIPと呼ばれています。つまり、通話に用いられる回線と音声の送受信方法に特徴があって、番号に050がつく電話はこのIP電話の可能性が高いわけです。海外でも広く運用が行われているIP電話ですが、日本では老朽化したアナログ固定電話の交換機などを置き換える目的で、IP電話の普及が進んでいます。
おすすめなIP電話6選
1.Skype電話
おすすめなIP電話の1つといえば、マイクロソフト社のSkype電話です。Skype電話はSkypeユーザー同士の通話が無料な上に、固定電話とも通話ができるのが特徴です。HD品質のビデオ通話にも対応していたり、LINEような機能豊富なチャット機能が用意されているのもポイントです。他にも月額基本料の安さや1分あたりの通話料金、そしてアプリの完成度と安定性のバランスの良さがおすすめ理由となります。世界的に多くのユーザーがいて日本でも名前が知られていること、アプリの開発が精力的に続けられていて将来性があることもおすすめ理由です。
2.My 050
My 050は月額基本料が無料で、固定電話との通話よりも携帯電話との通話に適しているIP電話サービスです。また電話を受ける際には通話料金が発生しないので、問い合わせ受付用途に活用できます。使用する携帯電話にもよりますが、着信の際には着信音が鳴るので、通話アプリやLINE通話と同様の使い勝手が得られます。電話番号の発行に身分証明書などの提出は必要ですが、サービス名の通り050で始まる番号の発行が受けられます。利用登録の手続きやアプリのログインは難しくありませんし、通話料金は予めチャージするプリペイド方式なので、使い過ぎの心配がないのも魅力です。
3.050 plus
050 plusはNTTが提供しているIP電話サービスで、安心感があるだけでなく固定電話や携帯電話との通話料金がお得な点も見逃せないです。アプリはユーザー数が多く平均評価も高いですし、留守番電話機能つきでメールで受け取れたりと、仕事用に嬉しい機能が充実しています。OCNモバイルONEとセットで利用すれば更にお得で、携帯電話の着信から折り返し電話がかけられるのも地味に便利です。留守番電話は20件までのメッセージが168時間も保管することが可能なので、大事な着信を逃すことがないです。いくら得をしたか分かる機能や月ごとの通話料金の確認機能、アプリ内で無料メールができるメッセージ機能と痒いところに手が届きます。
4.モバイルチョイス050
楽天コミュニケーションズが提供するモバイルチョイス050は、個人の携帯電話をプライベートと仕事用に併用できる、個人事業主やスモールビジネスに適したサービスです。携帯電話回線を同じ回線を活用しているので、一般的なIP電話と比べて音声品質が優れています。初期費用や月額基本料、端末の購入費などが0円ですから、導入コストを抑えることができます。発行された050の番号を使って仕事の通話をする形となるので、自動的に050で発信した分の通話料金が振り分けられ、会社に請求が行われます。プライベート用の携帯電話番号とは使い分けられるので、公私分計で使った通話料金が把握可能です。
5.pickupon
pickuponは仕事用で更に営業用途に特化している、クラウド型のIP電話サービスです。顧客関係管理のCRMや営業支援のSFAとの相性が良く、連携して営業活動に役立つサポートが受けられるのが特色です。通話の内容がAIでテキストに起こされ、CRMやSFAにデータが自動で入力されます。サービスの利用にはパソコンを使いますが、Chromeブラウザとヘッドセットを用意するだけで利用が始められます。やや特殊で用途は限られるものの、ニーズに合えば強力なサポート力を発揮してくれるサービスなので、営業活動にIP電話を検討している人におすすめします。
6.MiiTel
MiiTelは自動録音や文字起こし、音声解析機能まで備わる高度なIP電話で、営業とコールセンター業務にも使えるのが特徴です。アポイントメントの獲得や成約率に顧客満足度と、テレアポとコールセンターの両方に対応するAI採点機能が提供されます。通話内容の確認や反省、見直しに改善といった用途に活用できるので、単なるIP電話以上に業務に活かせます。AIが採点に使用する録音された音声データは、暗号化の上でクラウドストレージに保存されるので安心です。機能が豊富なので活用には使い方の習得が必要ですが、資料やセミナーなど習得の機会が用意されていますし、既に1,450社が導入していることからも導入は難しくないと分かります。
IP電話を比較して選ぼう
IP電話はこのように、050の電話番号を使って発着信ができるサービスだけでなく、プラスアルファのしかも高度な機能を提供しているサービスもあります。基本料金や通話料金の安さで選ぶのも1つの方法ですが、使いたい機能を備えるかどうかで検討するのもありです。それから通話が問い合わせなどの着信を中心とするか、営業活動の発信が多いかで検討するのも良いでしょう。メジャーなIP電話はどれも実績、実用性の高さからおすすめできるので甲乙つけがたいといえますし、もれなく比較して選ぶことになります。通話が日本国内に限定されるのであれば、日本の電話会社や通信会社が提供しているサービスを検討すればあまり悩まずに済みます。海外とも通話をする機会があるなら、海外通話料金の安さでサービスを検討できますし、重視する目的が明確なので比較的選びやすいと思われます。無料トライアルを提供しているサービス殆どありませんが、初期費用や基本料金が無料のIP電話なら、実質的に通話料金のみでお試しできます。
IP電話のメリット・デメリット
IP電話のメリット
IP電話は050から始まる自分用の番号が使えること、基本料金が安い傾向で通話料金もお得なことが多いのがメリットです。着信に関しては通話料金が無料だったり、IP電話同士でも無料で通話ができるといったメリットもあります。固定電話に対する発信も比較的通話料金が安く済むなど、IP電話にはお得なメリットがいくつもあることが理解できます。インターネット回線を利用する仕組みですから、固定電話回線のように物理的な設備を導入する工事が不要で、ネットで簡単に申し込めたり早く利用が始められるのもIP電話の強みです。
急遽仕事用の電話番号が必要になった、そんなときにも簡単な手続きを済ませるだけで、早ければ10分程度で電話番号が入手できます。携帯電話にアプリをインストールしたり、アカウントを取得してログインするといった作業はありますが、どれもすぐに終わります。その為、起業して早くビジネスを始めたい人や、従業員が増加する事業所などで特にメリットが実感できるでしょう。豊富な機能が備わるIP電話サービスは、営業活動に用いるシステム、ツールとの連携が容易なので、効率的な営業が行えるようになります。
従業員の増加に対応しやすいメリットは同時に、削減を行う場合にも柔軟な対応ができるということでもあります。つまり、従業員数が頻繁に増減する事業所にとって使いやすく、固定電話にありがちな工事や回線廃止の手続きの手間などが省けるメリットに繋がります。IP電話は携帯電話で使用するイメージですが、パソコンでも必要な周辺機器を用意すれば使えます。マルチデバイス対応のIP電話サービスは多いので、あまり端末の種類を選ばずに活用できます。IP電話を内線に活用すれば、従業員同士の通話が無料になりますし、テレワークや外出先とのやり取りにも内線が使えるので、大幅な通話料金の削減が実現します。日本国内なら物理的な距離に関係なく内線化できますし、複数の拠点間を繋ぐ連絡手段としてもIP電話が活躍するでしょう。
内線があれば着信の取りこぼしが少なくなり、担当者が不在でも折り返しの約束ができるので、不信感を招いたり対応の不満を覚えさせるリスクが避けられます。外出中で屋外にいても携帯電話で着信に気がついたり電話に出られますから、商談の問い合わせの電話に出られず、ビジネスチャンスを逃すといったことがなくなります。内線化されているIP電話は、会社の電話番号を使って発信できるので、着信のみならず相手の信用が得られます。問い合わせの折り返し対応の場合も、相手から見ると問い合わせた番号から電話がかかってくるので、安心して電話に出ることができます。インターネット環境や携帯電話が繋がる場所であればIP電話は使えますから、場所を選ばない自由なコールセンターの実現も夢ではないです。コールセンター業務にIP電話を活用すると、拠点が不要になるのでまずそのコストが浮きますし、従業員の増減も容易になるので人件費の無駄も抑えられます。オペレーターをテレワークで分散すれば、万が一の災害時にも事業が継続できる事業継続計画の備えにもなります。
IP電話のデメリット
メリットが豊富なIP電話ですが、050に対する信頼が比較的低いというデメリットがあります。IP電話よりも携帯電話、携帯電話よりも固定電話の番号がより信頼される傾向にあるのは否めないです。これは固定電話が特定の拠点で使用されるもので、携帯電話は移動して使うことから拠点が定まらず、IP電話は仕組みがよく分からないといったイメージが主な原因です。最近は携帯電話で問い合わせを受けている個人事業主も多いので、携帯電話の信頼に関するイメージは少しずつ向上しています。IP電話も会社情報に掲載する企業やECサイトが増えていますから、こちらもイメージが改善するのは時間の問題でしょう。それでも、固定電話との間にはまだまだ差があるので、この点は留意しておいた方が良さそうです。
IP電話のデメリットといえば、基本的な傾向として通話品質があまり良くないことが挙げられます。通話の安定性を重視する為に音声が圧縮されるので、その分品質が低下してしまうのは避けられないです。ただし、通話品質の問題は各社共に理解していますから、品質改善の取り組みを行っていますし、着実に改善が進んでいます。携帯電話と同じ回線を利用する高品質なIP電話サービスも登場しているほどですから、デメリットはまだ完全に解消していないものの、以前と比べて全体的に品質が改善したのは事実です。通話自体の安定性が疑わしかった初期のIP電話を思えば、現在のIP電話は十分に実用的で通話品質のデメリットも許容できる範囲になっています。通話の品質は都市部ほど安定する傾向で、地方だと不安定なところもありますから、普通の携帯電話の通話と比べて品質と安定性の地域差が大きいのは確かです。
IP電話はその性質上、050の電話番号から110番や119番に電話をかけることができないです。これら2つの番号は緊急通報電話といって、NTTが提供を行っているサービスです。そしてNTTの電話回線を利用しないとかけられないので、この回線を利用しないIP電話は必然的に緊急通報電話が不可能となります。警察署や交番、消防署などに直接かけることは可能ですから、予め最寄りの施設の番号を確認しておき、緊急時に備えるのが無難でしょう。フリーダイヤルの0120は、携帯電話からかけられないことが知られていますが、IP電話でもやはり繋がらないです。代替の電話番号があれば有料でもそちらにかけられますが、フリーダイヤルしか用意されていない場合はお手上げです。その場合は携帯電話キャリアの電話番号から発信するか、固定電話を探してそちらから電話をすることになります。IP電話はネットで手続きをしてすぐに使える点がメリットですが、支払い方法にクレジットカードしか用意されていないことがあります。クレジットカードを持っていない人にとっては最大のネックになり得ますし、起業したてでまだ実績がなく、カードが作れない個人事業主には無視できないデメリットの1つです。
IP電話を入手するのに必要なもの
IP電話の入手に必要になるのは、050の番号を発着信に使いたい携帯電話やパソコンなどで、後は速度と安定性が両立している品質のインターネット回線です。携帯電話やパソコンは最新のIP電話アプリが入れられる端末、インターネット回線は光ファイバーなどの高速通信が推奨されます。携帯電話はここ数年以内に発売されたAndroid端末、あるいはiOS端末ならまず問題なく使えます。アカウントの登録にメールアドレスが必要になるケースがあるので、IP電話用に予め用意しておきたいところです。
クレジットカード
支払い方法はIP電話サービスによりますが、クレジットカードは1枚あった方が良いです。クレジットカード支払いしか対応していなかったり、アカウントの登録時にクレジットカード情報の入力が求められることがあるので、最低でも1枚は必要だといえます。IP電話は簡単に申し込んで使える分、悪用されないように本人確認が求められることになっています。この本人確認にはSMSの受信ができる携帯電話番号と、写真つきの公的な本人確認書類が必要となります。
本人確認書類
本人確認書類の提出は郵送だったり、携帯電話で写真を撮影してアップロードするなどの方法が一般的です。これらは悪用を疑われない為、安心してIP電話を利用するのに重要な手続きで、利用者を守る為でもあるので納得する他ないです。固定電話でIP電話を使いたいなら、光回線とひかり電話に対応しているルーターなどが必要です。ひかり電話は光IP電話とも呼ばれていて、電話加入権が不要で各種の料金が手頃、そして加入電話の固定電話と同じ電話番号が使えるサービスです。音質の良さも強みなので、通話品質重視のIP電話の選択肢になりますが、必要なものが多いので検討の際にはしっかりと確認しましょう。
携帯電話
ひかり電話はアプリを入れた携帯電話で発着信ができるので、スマホdeひかり電話を利用するなら携帯電話も必要なものに加わります。IP電話はこのように、固定電話より携帯電話で利用する方がハードルは低く、支払い方法のクレジットカードさえあれば大抵は条件をクリア可能です登録時にクレジットカードが必要でも、チャージにコンビニ払いが使えるサービスもありますから、利用の開始と継続で必要なものが一致するとは限らないです。電話番号が発行されないタイプのIP電話なら、SMSの受信が可能な携帯電話とインターネット回線があればOKです。LINE電話のように、アプリ同士で通話を行う方法であれば、クレジットカードは不要ですし本人確認書類の提出も必要ないです。
電話を使って発着信できないのでそこは割り切りが求められますが、LINEを問い合わせ受付に活用するなら特に問題なく実用できます。携帯電話で050を使う発着信をしたい場合は、高速で品質が安定しているインターネット回線の用意を強く推奨します。理由は通信の安定性が通話品質に影響するからで、通信速度の速さもそうですが、速度が上下する幅の小ささも重要になってきます。格安SIMでIP電話を使いたい場合は特に、速度と安定性に気をつけて格安SIMを選びたいものです。携帯電話キャリアのデータ回線なら、極端に通信が不安定になることはまずないと思われますが、それでも有線のインターネット回線と比べればそちらに譲ります。
データSIMを使うIP電話と、Wi-Fi経由のIP電話のどちらの品質が上になるかはケースバイケースですが、いずれも回線の重要性が高いのは共通点です。IP電話と番号を入手するだけならハードルは低いですが、高品質を追求するとなるとハードルが上がることが分かります。品質重視なら安さだけで格安SIMを選んだり、フリーのWi-Fiスポットを利用するのは止めた方が賢明でしょう。ただし回線障害などによる緊急時は別なので、急にインターネットに繋がらなくなる状況に備えて、フリーで利用できるWi-Fiスポットを把握しておくのは悪くないです。
Wi-Fi
自宅やオフィスのWi-FiをIP電話に利用する場合は、高速かつ安定した品質の有線のインターネット回線と、最新規格に対応するWi-Fiルーターの用意をおすすめします。Wi-Fiルーターの性能が低かったり通信が不安定だと、高品質なインターネット回線の強みが活かせないです。ネットワーク機器を接続するLANなどのケーブル類、設置場所やルーターの設定も品質に関わるので気をつけましょう。最新のWi-Fi規格が使えるかどうかは携帯電話の仕様にもよるので、理想をいえば携帯電話も含めて全て最新の機器で揃えたいです。
Wi-FiでIP電話を使うつもりはなく、あくまでも携帯電話キャリアの回線で使いたいなら、回線品質重視でキャリア選びから始めることになります。キャリアごとに対応する通信エリア、速度が安定する時間帯や場所などに違いがあるので、その点を考慮に入れて比較検討するのがベストです。
外出時にもIP電話を活用したり営業活動などにも使いたいなら、屋外だけでなく商業施設などのビルの中や地下鉄、地下街でも繋がりやすいキャリアを選ぶのが正解です。1つ1つ確認していくと、必要なものというより選ぶものの条件が多い印象ですが、最低限必要なものはそう多くないです。とりあえず携帯電話番号とは違う仕事用の番号が欲しい、音声品質は二の次で通話ができれば十分なら、必要な条件を揃えるのは難しくないでしょう。
クラウドPBX
内線の構築を前提にIP電話を入手したいなら、クラウドPBXの導入を検討する必要性が出てきます。クラウドPBXは構内交換機の工事が不要で携帯電話を内線に組み込むことが可能な上に、電話番号の発行を受けて外線の発着信が行える仕組みです。複数人で運用する為のものですから、一人で業務を行う個人事業主や数名程度の事業所には不要なものです。コールセンター業務をするつもりで10名以上の従業員が業務にあたるなら、クラウドPBXの選択を検討する価値はあるでしょう。IP電話番号に加えて転送電話機能が使えることも多いので、IP電話がより活用できるようになります。結局のところ、何が必要になるかは種類の選択と運用方法次第ですから、まずはそれを明確にしたいところです。